嘘をつかれていたと知った時、容赦なく全身に響くのは、
そこにある現実世界が一瞬にして崩れ去るような、腐り果てていくような腐朽の音。
心のやわらかい部分が一気にえぐり取られたような、身体の中心に鉛を打ち込まれたような、ビリビリとした鈍く重たい痛み。
哀しさ、悔しさ、惨めさ、情けなさ、無条件に物事を信じた自分が滑稽にさえ思え、血が逆流する感覚に恐怖を覚える。


嘘がバレてしまった時、身勝手にも抱く絶望感は、全身を逃げ場なく駆け巡る。
恥、恥、恥、恥、恥、恥、恥、恥、やはり感じる血液の逆流……


本当に嫌な感覚……

気持ち良いだなんて、微塵も思っていないはずよね？

そうよね？


なのに私は必ずまた嘘をつく。

本当は快感なんじゃないの？
あの血液の逆流が。

止むを得なかったとか、だますつもりはなかったとか、相手を傷つけないためだとかそんなのすべて言い訳で、何もかも自分のためなんじゃない？


そしてきっと誰かに嘘をつかれる。


臆病者だから、嘘をつかれてショックを受けた時のダメージを少しでも減らすために、
嘘と知った時のあの感覚を必死で思い出し、あらかじめその痛みをインプットしておく。

つまり信じない。

なのに実際だまされたら、そんなシュミレーション何の役にも立たない。
ただただ血液逆流感。

つまり、信じてた。

これって自己愛が異常に強いとも言えますでしょう。

自虐とナルシストは時に等しい。好きな言葉のひとつ。


自分をも他人をも疑いながら、そして信じながら、
騙し騙され泣いて笑って、「いつの間にか」生かされ生きて行くことは、きっと幸福なことでしょう。


しかし……


先日コンビニで買ったパスタの上げ底にはだまされた……

ジンギスカン鍋じゃないんだから姉さん……

世の中、だまし合いの探り合いよ。

今週のRADIO BERRY「苺通り十文字」は、
エイプリル・フールにちなんで「だまされた！」をメッセージテーマにお届け致しました。

リスナーの皆様、雨の中スタジオ前へとお越し下さいました皆様、本当にありがとうございました

コンビニやスーパーに並ぶサンドウィッチ、陳列されているのを見た時は具がたっぷりボリューミーだったのに、いざ食べようとしたら陳列時には見えなかった角の部分にはほとんど具が入ってなく、直角三角形の斜辺の方にばかり具があふれていて「だまされた！」と思うことを、私は「斜辺の罠」と読んでいます。(笑)

世の中、だまし合いの探り合いよ。

そう言えば昔、「アイ・アム・ダミー」という曲を描いたなぁ。

「裏切り屋」なんて曲も描いた。

歌いたーい(笑)。

ゆき

【information】せきぐちゆきオフィシャルHP
4/21(日)せきぐちゆきワンマンLIVE／会場：江古田マーキー／開場13：30 開演14：00