February 26, 2021

妖怪美女椿の話



昔住んでいた家の道路を挟んだ向かい側に、藪椿の木がございました。
 
濃い緑の葉に刺された、紫みのある鮮やかで強い赤、中央にぽってりと集う白と黄色のニョキニョキ。
幼い私はこの花が少し怖かった。
怖いのにとても惹かれた。
今思うと、それは「背徳感」によく似ている。
見てはいけないものを見てしまった恐怖と優越感。
そして、木に留まって咲いている姿より、花ごとポトリと落ちて地面を赤く埋め尽くしている姿の方が美しく思えた。
見た目には十分哀れなのに、瑞々しくて色っぽくて誘っているみたいで、それが「椿らしく」てやっぱり怖かった。

大切だけれど手元にはおいておけないものを、木の根元に埋めたり、木の枝につるしたりした。
椿が「なんとかしてくれる」気がしたから。
そう、怖いけど、なんというか情のある……美人な妖怪みたいに見えていたのかも。
 
大人になった今、「なんとかしてほしいこと」は山ほどある。
“妖怪美女椿”にすがりたい気もするが、これまで「なんとかして」もらって来た分を、そろそろ自分が“情”をもって人様に還元して行かねばと思
う浅き春でございます。

ご自愛ください。


20210226_222631

ゆき☃️







bukurox at 22:31│Comments(4)clip!

この記事へのコメント

1. Posted by こめっと   February 27, 2021 14:00
妖怪美女椿の話を拝読して、そっか、この薮椿の想い出があっから、「罪椿」が生まれたのですね。小生は文学的才能はまるで無いので、この妖怪美女椿が誰のことを指すのか皆目見当がつきませんが、恩を受ければ還すのがひとの心はではないでしょうか。2018年3月宇都宮駅西口「ララポケット」にて、コノハナサクヤリリース記念ミニライブで初めてゆきさんと出逢った想い出が甦りました。3年経ちますが、ゆきさんから頂いた恩はまだまだ返しきれていません。
2. Posted by せきぐちゆきです。   February 28, 2021 16:36
>>こめっと
わたくしにとりましてもそれは大切な大切な出逢いであり、歌う力を頂いています。いつも、ありがとうございます。
3. Posted by 博志   February 28, 2021 20:10
“妖怪美女椿”ゆきさんらしいキャラクター
どんな活躍をするのか興味しんしん!
4. Posted by せきぐちゆきです。   March 15, 2021 10:25
博志さん>
3月15日の記事に再登場?致しました(笑)。

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