August 23, 2007

ある雷の日に思う



心が


くっついた、はなれた。


近付いた、遠退いた。


人と人との心の距離は、いつだってその『バランス』が難しい。


恋人でも友達でも家族でも仲間でも同士でも、
踏み込んではいけない領域が、きっとある。
触れられたくない場所が、ひっそりと存在する。


その場所が無理矢理に引っ張られて、自分も心を抱えて必死に抵抗する。
強く引っ張り返す。
相手がまた引っ張る。
自分もまた、私のもんだと引っ張る。
引っ張って伸びて、心はその内千切れる。
相手との距離は。もう測定不可能。


逆もまた然り。


他人の心を無理矢理こじあけようとして、相手が傷ついているのに気付けない。
相手が離れて行って、初めて傲慢だった自分を知る。


自分の物差しでしか物事が判断出来なかったり。
ましてやその物差しで、他人の心を測ろうとしてしまったり。
測りきれなくて、どう測っていいのかわからなくて、こちらの物差しで測定出来る心を持ってくれと責め立てて。
相手が戸惑うから、思うようにならないから、また、責め立てて。

悪気があるワケじゃないのだろうけれど。

分かり合いたいだけなのだろうけれど。

千切れた心は、千切れ雲みたいに。

掴み取れなくなるのだろうか。


心は未知だと。


目を閉じて、心は未知だと抱きしめなければ。


素直なやさしさを、受け止められるように。

送ることが出来るように。


そんなことを思った、ある、雷の日。


でした。


bukurox at 22:13│Comments(1)TrackBack(0)clip!

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この記事へのコメント

1. Posted by ふくはら ひろのぶ   August 25, 2007 00:55
情念深い唄を歌う関口由紀さんは、意外に心の平静をとるのが
上手な方だろうと思っています。
そんな彼女の怒り、攻め立て、途惑うような記述に、僕はむしろ
自分に近い存在としての安心感を、勝手に感じました。

「退路」を用意しておく。
そうすれば嵐に飲み込まれずにすみます。
もちろん相手にも「退路」を与えてください。

今日も小生意気な書き込み、失礼いたしました。

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